寿命の9割は腸で決まる
こんにちは。今回は、医学博士 松生恒夫先生の著書『寿命の9割は腸で決まる』を読んだ感想をシェアしたいと思います。この本では、腸の健康が人間の寿命や病気にどのような影響を与えるか、そして腸を大切にするためにどうすればいいかが分かりやすく説明されています。私はこの本を読んで、腸に対する意識が変わりましたし、実践できることもたくさんありました。腸が気になる方や健康長寿に興味がある方はぜひ読んでみてください。
著書 松生恒夫さんについて
松生恒夫先生は延べ4万人以上の腸を見てきた消化器内科専門医であり、腸のプロフェッショナルともいわれる人物です。先生は、今後ますます健康長寿が重要になるというメッセージを伝えています。そのためには、腸を大切にすることが必要であり、腸に意識を向けた生活を送ることが重要だと語っています。
本書では、「停滞腸」という言葉がよく出てきます。「停滞腸」とは、小腸・大腸の働きが低下して便秘や下痢などのトラブルが起こりやすくなった状態のことです。停滞腸は、大腸がんだけでなく、糖尿病やさまざまな内臓の不調、うつ病などの発症にも大きく関わっていることが明らかになってきています。つまり、人間の寿命はまさに腸の健康状態で決まると言っても過言ではありません。
では、どうすれば停滞腸から解放されて健康的な腸を維持できるのでしょうか?
松生先生は以下の3つのポイントを挙げています。

健康的な腸を維持する3つの秘訣
1 食事
食物繊維や発酵食品(納豆・味噌・チーズ・ヨーグルト等)を積極的に摂取しましょう。
腸によいたべものとしては、主に以下のようなものが挙げられています。
- 食物繊維が豊富な野菜や果物
- 発酵食品や乳酸菌飲料
- 発酵食品や乳酸菌飲料
- オメガ3脂肪酸が多い青魚やナッツ
- 低GI食品や全粒穀物
これらのたべものは、腸内細菌のバランスを整えたり、便通を良くしたり、血糖値やコレステロール値を下げたりする効果があります。
一方、腸に悪いたべものとしては、主に以下のようなものが挙げられています。
- 糖質や油分が多い加工食品やファストフード
- アルコールやカフェイン
- 過剰な動物性タンパク質や塩分
- 保存料や着色料などの添加物
これらのたべものは、腸内細菌のバランスを崩したり、便秘や下痢を引き起こしたり、炎症や発ガン物質を増加させたりする危険性があります。
2 運動
適度な運動(ウォーキングやストレッチなど)を行いましょう。運動は腸の蠕動運動を促進し、便通を改善します。
具体的には、以下のような運動をおすすめしています。
歩く:1日1万歩以上歩くことで、腸のぜん動運動を促進し、便通を改善することができます。また、歩くことでストレスも解消され、腸内細菌のバランスも良くなります。
ストレッチ:朝起きたら、背中やお腹を伸ばすストレッチをすることで、腸の働きを活発にします。特に「猫背」や「骨盤前傾」の姿勢は腸に悪影響なので、ストレッチで改善しましょう。
ヨガ:ヨガは呼吸法やポーズによって、内臓のマッサージ効果があります。特に「ねじり」や「屈曲」のポーズは腸を刺激し、便秘やガスの解消に役立ちます。
3 睡眠
睡眠:睡眠不足はマイクロバイオームのバランスを崩す原因になります。毎日7時間以上の睡眠をとりましょう。
睡眠時間:一般的には、成人は1日7~8時間の睡眠が必要です。しかし、個人差があるので、自分に合った睡眠時間を見つけましょう。睡眠時間が短すぎると、腸内細菌の種類や量が減少し、免疫力や代謝が低下します。
睡眠リズム:毎日同じ時間に寝ることで、体内時計を整えましょう。体内時計が乱れると、腸内細菌も混乱し、消化や吸収に悪影響を及ぼします。特に夜型の生活は避けましょう。
睡眠前の食事:就寝前3~4時間以内に食事をすることは避けましょう。胃や腸に食べ物が残っていると、睡眠中に消化器官が働き続けて休めません。また、カフェインやアルコールなども睡眠の質を低下させます。
「マイクロバイオーム(腸内細菌叢)」と「第2の脳(腸神経系)」
上記を行わずに乱れた生活をしていると、「停滞腸」を引き起こす2つの大きな問題が発生します。それは、「マイクロバイオーム(腸内細菌叢)」と「第2の脳(腸神経系)」です。
「マイクロバイオーム」とは、私たちの体内に住む細菌やウイルスなどの微生物群です。その数は100兆個以上と言われており、そのうち99%以上が腸内に存在します。「マイクロバイオーム」は私たちの健康に大きく影響し、「免疫力」「代謝」「アレルギー」「肥満」「心臓病」「糖尿病」「うつ病」など様々な疾患と関係しています。「マイクロバイオーム」を健康に保つためには、「多様性」と「量」が重要です。つまり、「種類豊富で数多くの善玉菌(有益菌)」と「少数派だけど必要悪な悪玉菌(有害菌)」を適切なバランスで保つことです。
「第2の脳」とは、「小さじ一杯分ほどしか存在しないけれども人間全体をコントロールするほど強力」と言われている「腸神経系」と呼ばれる神経細胞の集まりです。この「腸神経系」は、脳と約2000本の神経線維でつながっており、脳と同じように情報を受け取り、処理し、伝達する能力を持っています。また、「腸神経系」は、セロトニンやドーパミンなどの感情や気分に関係する神経伝達物質を多く分泌しており、私たちの精神状態にも大きく影響しています。「腸神経系」を健康に保つためには、「ストレス」と「睡眠」が重要です。つまり、「心身の緊張をほぐし、リラックスすること」と「質の良い睡眠を確保すること」です。
まとめ
「第2の脳」と呼ばれる腸は、私たちの健康や幸せに大きく関わっています。本書では、松生先生が実際に行っている「停滞腸改善プログラム」を紹介しています。このプログラムは、「食事」「運動」「睡眠」の3つのポイントを守りながら、4週間で「停滞腸」を改善するというものです。具体的なメニューやレシピ、エクササイズなども詳しく紹介されています。私たちが毎日行うことで、「第2の脳」を活性化し、健康で幸せな人生を送ることができるということです。
本書は、「停滞腸」に悩む人だけでなく、自分の体や心に気づき、より良い状態にしたい人におすすめです。「第2の脳」と呼ばれる腸と仲良くなってみませんか?